父親の大好物

2つ上の兄と、父親の仕事を継ぐことを決めたのは、高校を卒業する前だったと思います。毎年、お盆前と、正月休み前に、必ず我が家に訪れる、父親の取引先の人たちを、母親がもてなしする姿をみて、身体の弱い母親を仕事から休ませたいと考えるようになりました。母の代わりとなる、人を外から雇ってもよいのだと、父親も兄も言うのですが、母親は頑固者なので、首を縦に振る事はありませんでした。私が、4年制の大学に合格した時に「もう4年待ってね。」と、母親に伝えると、母親は、少し咳き込みながらしんどそうに微笑みました。あれからもうすでに、6年経つのですね。私が、父親の仕事のスケジュール調整などを行うマネージメント管理者として、マネージャー役を務めるようになり、現場も内勤も取り仕切りる事をはじめてから、なんだかんだ2年が経ちました。幼い頃から、母親の仕事ぶりを見ながら育ったので、取引先の人々をどうあしらえば良いのかは、承知しているつもりです。けれども、どうも蕁麻疹が出そうになるのが、彼らの謙譲語です。私のような若造にも、謙って相手を立てなくてはならない関係性に慣れる事がどうしてもできません。取引先の関係者が、手土産として持参するのは、決まって父親の好物のハム ギフトセットというのが、恒例になっていますが、父親がハム ギフトのセットが大好きな事を知っているにも関わらず、「お口に合うかわかりませんが・・・。」などと白々しく並び立てる言い回しが、私には世の中のしくみの理解できないところであります。

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